ホイールの基礎知識
ホイールの持つ役割
ホイールとは、地面に接しているタイヤと動力を伝達する車体の間にある、車を動かすにあたりなくてはならないパーツです。
タイヤとホイールが一体となり、初めて走行できます。
ホイールはタイヤと同様に機能性のUPと同時に、ファッション性でのメリットも生まれるものです。装着するからには、お車に似合った、お気に入りを探してみてはいかがですか。
ホイールの持つ役割
強度・・・車の一番重要な部分ですので耐衝撃性と耐疲労性に優れていなければなりません。簡単に亀裂が入ったり曲がったりしてしまうと危険です。
精度・・・正確に仕上げられている事が大前提となります。サイズ、形状に異常はないか特に注意が必要です。
意匠・・・ファッション性に優れていなければ、高い投資をする意味がありません。
重量・・・強度を満たした上での軽量化をする為にアルミホイールは開発されました。
純正のスチールホイールは硬くて丈夫につくられています。しかし、最近は純正でもアルミホイールを装着している自動車が増えてきています。
それは、自動車のタイヤ・ホイール・足回りをさすバネ下重量(走行中に常に動いている部分)が重要視されているからです。
バネ下重量の軽減には自動車の運動性能向上や燃費向上に大きな効果があり、バネ下重量を1kg軽減することにより、約15kg軽減したことと同等の効果といわれています。
ということは、ホイール1本あたり1kgの軽量化をすると、4本分で約60kg、成人1人を降ろした事と同じ効果が表れます。
自動車メーカーもアルミホイール装着率が上がって当然だということです。
アルミホイールの構造について
アルミホイールの構造には、1ピース、2ピース、3ピースの3種類があります。
1ピース構造 | |
リム部分とディスク部分が一体になっていて、スポーツホイールに多い構造です。 鋳造後、加工し仕上げる為、精度が高く軽量に作る事ができます。 | |
2ピース構造 | |
リム部分とディスク部分を溶接して一体とする構造です。 インセットの設定自由度が高く、ディスク部分のデザインも自由度が高く、最近の主流となっています。 | |
3ピース構造 | |
表側リム部分・裏側リム部分・ディスクをピアスボルトで固定して組み立てる構造です。 デザインの自由度は一番高く、ファッション性を追求したホイールに多く採用されています。 |
リム形状について
リムの種類は2種類あり、フォーミュラータイプとリバースタイプがあります。
フォーミュラータイプは純正や1ピースによく見るタイプで、リバースタイプは、2ピース、3ピースによく見るタイプです。
横から見て、フォーミュラータイプの場合、表側寄りにリム部分のドロップと呼ばれる凹み(タイヤを組み付けるために必要)があります。このドロップが裏側寄りにあるホイールがリバースタイプです。
リバースタイプはストレートな表リム形状が可能となり、ディスク面を深く取ることができ、ディスクも大きくなりファッション性もアップします。
フォーミュラータイプ(凹) | リバースタイプ(凹) |
アルミホイールの製造方法について
アルミホイールの製造方法には、鋳造(ちゅうぞう)と鍛造(鍛造)の2種類があります。
鋳造・・・金型に溶かしたアルミニウム合金等を流し込み、それを固めてホイールの形に成型する製法です。
デザイン性、コスト面で優れています。
鍛造・・・形に合わせて軽合金を何千トンもの力でプレスする製法です。強度や合成の確保、軽量化に優れています。
鍛造 | 鋳造 |
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サイズの読み方について
ホイールサイズの読み方と各部の名称は以下のとおりとなります。
【ホイール断面図】 | 【サイズ表記】 |
① リム径 同一インチのタイヤを組み込み出来ます。表記はインチで1インチ2.54㎜となります。 ② リム幅 規定された適用幅のタイヤを組み込む事ができます。小数点以下が1/2と表示されている場合、0.5インチを意味します。 ③ フランジ形状 J、JJ、B等が規格で規定されています。リム幅を何Jと表示されているのは何インチのJフランジ形状ということです。 ④ 穴数(HOLE数) 3穴、4穴、5穴、6穴、8穴etc ⑤ P.C.D(mm)Pitch Circle Diameter ボルト穴ピッチ円直径のことです。 100、112、114.3、120、139.7etc ⑥ インセット ゼロセット アウトセット(mm) ホイールリムの中心線とディスク取付面の距離でセンターより外側がインセット、中心がゼロセット、内側がアウトセットとなります。一般的にはインセットのものが多い事からオフセット=インセットと表記しています。 |
穴数・PCD・インセットは自動車メーカーや車種によって異なる為、ホイールを交換する際は穴数・PCD・インセットを確認し、適合したものを装着します。
インセットは、社外品の場合、㎜単位で細かく設定されているものもあります。むやみに装着してしまうとボディから極端にはみ出してしまったり、内側に干渉してしまったりする恐れがありますので注意が必要です。
ハブ径について
車体側のホイール取付面にはハブと呼ばれている箇所があります。 ホイールのハブ穴と車体側のハブを噛合わせてホイールとハブの中心を高い精度で合わせられるホイールやそのようなホイールとハブの組み合わせのことをハブセントリックと言います。 ハブセントリックを採用しているホイールは純正ホイールと車種専用設計の一部の社外品です |
ディスクタイプについて
近年発売されている自動車は、大きなブレーキディスクとブレーキキャリパーを装着しているケースが増えてきています。 これは、スポーツ系の自動車に限らず、セダンなどでも採用されているケースがあります。 そのような自動車へホイールを装着する場合、ブレーキの逃がしが必要となり、下の写真のようにビッグキャリパー対応のホイールを装着します。 このようなホイールを一般的には「HIディスク」、通常のディスクを「ノーマルディスク」、又は「スタンダードディスク」、リムを稼ぐ為に逃がしを極力省いた「ローディスク」と呼びます。 各メーカーごとに違う呼び方の場合もあります。自動車に合ったホイールを選びましょう。 |
ここまでアルミホイールの構造や機能をご説明してきましたが、やはり大きなウェイトを占めるのがデザインではないでしょうか。
現在、アルミホイールのデザインは多様化してきています。
大きく分けると①メッシュ、②スポーク、③ディッシュ、④フィン、⑤有機的、で分類されます。
好みの分かれる最大のポイントです。お車のデザインや特徴から、仕様をどのようにしたいか、又はどのようなデザインが似合うかイメージをしてみましょう。
イメージが浮かばない場合や、本当に似合うか不安な場合は、お気軽にスタッフまでご相談下さい。
ドレスアップのお手伝いをさせていただきます。